ある隣人(2)

 息子の同級生の家の話。新潟から関西に引っ越してきて、今度ウチと同じ時期に東京に。お姉ちゃんは新潟の国立大学附属の小学校から関西のそれに編入してきた。弟は公立小学校に通う。

 お父さんは製薬会社の営業畑で苦労人のよう。今度の転勤では研究所づとめになるそうで喜んでいる。ところが、娘は小学校六年生。このまま国立大の中高に進む予定が狂ってしまった。父親が「娘はエリートとして教育を受けさせたい」という理由で小学校から推薦状をもらってこいと妻に命じたが(驚き!)、小学校は「中学受験はしない」との誓約書をとっているから推薦状は出せないという。現に受験組みは転校しているようだ。

 息子が勉強をしなかったときに、釜ガ崎に連れていって、「勉強しないとああいう人生が待っている」と脅したとか。ついて行けないが、息子は友達なのだ。